日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
会議情報

シロイヌナズナの低温及び乾燥ストレス下においてDREB1A及びDREB2Aが制御する代謝関連遺伝子の解析
*圓山 恭之進竹田 みぎわ佐久間 洋櫻井 望城所 聡鈴木 秀幸斉藤 和季柴田 大輔篠崎 一雄篠崎 和子
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 969

詳細
抄録
シロイヌナズナのDREB1A遺伝子は低温に、DREB2A遺伝子は乾燥に応答して遺伝子発現が誘導される。この2つの遺伝子は、AP2/ERFタイプの転写因子をコードしている。DREB1A及びDREB2Aを恒常的に過剰発現させた形質転換植物は、低温・乾燥・塩ストレスに対する耐性が向上することから、この2つの転写因子が制御する下流遺伝子は、低温・乾燥・塩ストレスに対する耐性の獲得において重要な機能を果たしていると考えられる。
本研究では、DREB1A及びDREB2Aが制御する低温及び乾燥ストレス下で発現誘導される代謝関連遺伝子と蓄積量が増加する代謝産物に注目し研究を行った。DREB1A及びDREB2A が制御する下流遺伝子及び低温及び乾燥誘導性遺伝子をオリゴアレイ解析で同定し、Kappa-view、KEGG2、Aracyc等のデータベースを参考にして代謝関連遺伝子を選別した。また、DREB1A及びDREB2A過剰発現植物体と低温及び乾燥環境下のシロイヌナズナから代謝産物を抽出してLC/MS、GC/MS、CE/MSを用いて分析し比較解析を行った。低温及び乾燥ストレス下では、顕著に糖類、アミノ酸類、フラボノイド類が蓄積し、DREB1A及びDREB2A過剰発現植物体に蓄積する代謝産物と類似していることが示された。さらに、低温環境下で働いていると考えられる糖代謝酵素は、葉緑体内に局在していることが示され、現在、低温環境下における葉緑体内の代謝産物の蓄積量の変化を解析している。
著者関連情報
© 2007 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top