日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナ脱分化細胞に葉緑体分化能を付与する遺伝子の同定
*影島 宏紀丹羽 康夫中野 達夫後藤 新悟小林 裕和
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p. 974

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抄録
植物緑葉における葉緑体機能の構築過程は,光などの環境要因に加えて内的プログラムに依存する.このプログラムを解明するために,アクティベーションタギング法を適用し,シロイヌナズナのカルスにおいて光合成遺伝子RBCS が発現するようになった突然変異系統 ces102ces103 ( callus expression of RBCS ) の選抜に成功した.ces102では、発現が最も促進されていたAt3g05490遺伝子を親系統に導入し発現させたところ,ces102の表現型が再現できた.したがって,CES102はAt3g05490であると考えられた.また,CES102とsGFPとの融合タンパク質を発現するコンストラクトを構築し,一過性発現させその細胞内局在を共焦点レーザー顕微鏡を用いて観察したところ,CES102は小胞体に局在する可能性が示唆された.ces103においては,発現の促進されていたAt3g59860とAt3g59870遺伝子を親系統に導入し発現させると、どちらの形質転換カルスでもces103の表現型が再現できた.そこでリアルタイムRT-PCR解析によって,これらの形質転換カルスにおけるRBCSの発現量を測定した.At3g59860形質転換カルスにおいて ces103と同程度までRBCS発現の上昇が見られたのに対し,At3g59870形質転換カルスではces103と同程度まで発現が上がらなかった.したがって,CES103はAt3g59860であると考えられた.
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© 2007 日本植物生理学会
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