抄録
われわれは植物ウイルス感染後におけるshort interfering RNA (siRNA)、さらに蓄積が増大するmicro RNA (miRNA)の生成機構に目をむけている。
miRNAとして存在量の豊富なmiR163に着目し、その前駆体RNAの検出、切断部位の決定をおこなった。そしてDicer様酵素遺伝子のうちDCL1が、複数回の切断を伴うmiRNAプロセッシングに関与すること、dsRNA結合ドメインをもったHYL1がそのパートナー分子であることを示した。最近、関与が示唆されたSERRATE (SE)も含めて、DCL1, HYL1によって核内でmiRNAが生成される過程を、イメージング技術、免疫沈降法などを用いて解析している。
タバコモザイクウイルス感染シロイヌナズナからsmall RNAをランダムにクローニング・配列決定を行い、発現量及び種類を調べた。約1/8がsiRNA、1/4がmiRNAであること、ウイルス感染植物特異的に見られる新規small RNAを発見できた。ストレス環境下で新奇small RNAを見出せる可能性が示された。siRNAについて、dcl1, 2,3,4いずれの変異体でもその生成量は減らなかった。複数のDCLがredundantにsiRNAの生成を受け持つものと想像される。