日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナの二重変異体clf swnにおけるの胚様組織形成の解析
*針金谷 尚人菊池 彰溝口 剛鎌田 博
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p. 0063

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抄録
Polycomb complex Group(PcG)は、ヒストンH3の第27番リジン(H3K27)に対するメチル化修飾を介し、遺伝子発現を負に制御することが示唆されている。シロイヌナズナにおけるPcGの一員であるCURLY LEAF(CLF)とSWINGER(SWN)の二重変異体(clf swn)は、発芽後に胚様組織を形成する(Schyvert et al., 2005)ことから、PcGが発芽時に胚的性質の抑制に関与する可能性が示唆されているが、具体的な機構は未解明である。そこで、clf swn における胚様組織形成の原因を特定し、PcGによる胚的性質の抑制についてその制御機構の解明を試みた。
我々は本大会において、clf swnを低温条件下で成育した際、胚様組織形成が抑制されることを既に報告した。そこで、低温による胚様組織形成の抑制効果がどの時期から喪失するかを検証するため、常温で播種後、様々な播種後日数より低温環境へ移植し、胚様組織形成に与える影響を評価した。その結果、8日目以降に移植した場合に胚様組織の形成が見られはじめ、14日目以後の移植ではすべての個体で認められた。この結果はclf swnを常温で成育した場合の子葉展開時期と一致した。一方、低温条件下においても2,4-D含有培地上で成育させることで胚様組織形成が回復し、その胚様組織形成率は2,4-D濃度依存的であることを見いだした。これらの結果は、clf swnで見られる胚様組織形成にオーキシンが関与し、その作用時期は子葉展開時である可能性を示唆している。
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© 2008 日本植物生理学会
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