抄録
細胞間での情報伝達は、組織の構造を形成・維持する上で重要である。ヒャクニチソウの管状要素分化誘導系において培地から見出されたTDIFは、管状要素分化の阻害活性をもち、細胞間情報伝達を担う一つの因子と考えられる。TDIF は 12 アミノ酸からなる低分子ペプチドで CLAVATA3 を含むCLEペプチドの C 末に共通して存在する CLE ドメインそのものである。本研究では TDIF の in vivo での機能を明らかにするため、シロイヌナズナを用いて分子遺伝学的解析を行ってきた。シロイヌナズナの CLE41 、CLE44 遺伝子は TDIF と同一の CLE ペプチドをコードする。CLE41 および CLE44 のプロモーター::GUS による発現解析によって、維管束と維管束を取り巻く特赦な細胞に発現していることがわかった。また、anti-TDIF 抗体による抗体免疫染色によっても維管束の細胞に局在するとわかった。これらの結果は CLE41、CLE44 が維管束の特殊な細胞にて発現、翻訳され機能することを示唆する。現在、変異体の解析をすすめており、併せて発表したい。