日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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パルスEPRを用いたシアノバクテリアBLUFタンパク質TePixDの光生成ラジカル対の解析
*三野 広幸長井 浩子福島 佳優岡島 公司池内 昌彦伊藤 繁
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p. 0089

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抄録
BLUFドメインは近年見つかったフラビン結合青色光受容ドメインである。好熱性シアノバクテリアThermosynechococcus elongatus BP-1のBLUFドメインであるTePixDはフォトサイクルを示し、室温での光照射によりFADの吸収スペクトルが約10nm長波長シフト変化する。X線結晶構造からはflavin分子近傍のGln50,Tyr8などとの水素結合が示唆されている[1]。 長時間の光照射によりFADラジカルが蓄積されることがわかっている[2]。 今回、TePixDに80-150K照射することによりg=2領域に85Gの分離を持つ一対のEPR信号を発見した。 信号の線形からESR信号の由来は2つのラジカルの磁気的双極子相互作用と考えられ、近似的に両者のスピン間の距離は6.9Aと見積もれる。またパルスENDOR法によりFADとチロシンに特徴的な信号を得た。 X線結晶構造との比較によりこのラジカル対はFADと近傍チロシンY8由来と考えられる。また、長時間の光照射によりラジカル対は単体のFADラジカルへと変化する。 得られた結果より反応機構を検討する。
[1] Kita et al., J. Mol. Biol., 2005, 349, 1-9.
[2]Fukushima et al. Biochemistry, 2007, in press
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© 2008 日本植物生理学会
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