日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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苔類ゼニゴケをモデルとしたフィトクロムシグナル伝達の解析
*片岡 秀夫石崎 公庸大和 勝幸河内 孝之
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p. 0093

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抄録
フィトクロムは植物が持つ主要な光受容体である。フィトクロムを初発とする光シグナル伝達経路を解明するため、本研究ではユニークなモデル植物である苔類ゼニゴケを用いた。ゼニゴケは進化上最初の陸上植物のグループに属しており、生活環の大半が半数体である遺伝学的解析の利点を備える。単離されたMpPHY遺伝子は1分子種のみ存在した。大腸菌発現系より得られたリコンビナントMpphy(N612)は赤色光/遠赤色光可逆的な構造変換を示した。次に、フィトクロムのGAFドメイン内のTyr残基をHis残基に置換することで光可逆性を失い、常に活性型として機能するという知見に基づき、Mpphyの241番目のTyrをHisに置換したリコンビナントMpphyY241H(N612)を得た。このMpphyY241H (N612)は光可逆性を失い、蛍光タンパク質となったことを確認した。ゼニゴケ野生株では光依存的に仮根形成が見られる一方で、MpphyY241H全長を発現させたMpphyY241H導入株では暗黒下でも仮根形成が観察された。またこの株では青色光応答が抑制されていた。MpphyY241H-GFPは光条件を問わず核内で顆粒状構造体を形成し、常に活性型として機能していると予測された。現在、Mpphy機能欠失変異体の作出を試みており、Mpphyが制御する光形態形成およびシグナル伝達経路の解明を目指している。
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© 2008 日本植物生理学会
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