日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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オイルボディ形成の制御に関わる遺伝子の解析
*林 誠加藤 恭子難波 千営子大音 徳光川 典宏西村 幹夫
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p. 0095

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抄録
オイルボディは、脂肪性種子細胞に多量に存在するオルガネラでである。このオルガネラは、1層のリン脂質で囲まれ、内部に種子貯蔵脂肪であるトリアシルグリセロールを含む単純な構造をしている。オイルボディは、トリアシルグリセロールが小胞体の脂質2重膜間に合成された蓄積した結果形成されるという説が提唱されているが、その詳細はまだはっきりしていない。本研究は、オイルボディ形成異常を示す変異体を単離・解析することで、オイルボディ形成機構の解明をめざしたものである。
オイルボディ膜にはオレオシンという膜タンパク質が多量に存在している。我々は、オレオシンとGFP(緑色蛍光タンパク質)からなる融合タンパク質を発現する形質転換シロイヌナズナを作成することで、オイルボディを生体蛍光染色した。次いで、本形質転換体を変異原処理し、後代でオイルボディ形成異常を示す突然変異体を複数系統同定することに成功した。これらの1つは、種子におけるオイルボディの形態、オレオシンの蓄積や貯蔵脂肪の蓄積などに異常が認められた。これらの表現型および原因遺伝子の機能予測から、種子の登熟課程におけるオイルボディの形成機構を考察する。
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© 2008 日本植物生理学会
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