日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナ細胞壁形成関連遺伝子と共発現相関のある転写因子に関する機能解析
*大野 隆史尾形 善之櫻井 望青木 考岡崎 孝映鈴木 秀幸斉藤 和季柴田 大輔
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p. 0131

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抄録
植物の生理的な機能を基盤とした工業原料等の有用物質の生産を可能とする為に、植物の物質生産プロセスを解明することが必要とされている。セルロースを主成分とする細胞壁は、紙パルプ、バイオ燃料、バイオプラスチックなどの工業原料として利用価値が高く非常に有用である。ところが、細胞壁の形成は非常に多くの酵素が関与する複雑なプロセスである為、未知の部分が多い。そのプロセスを解明する為の手段として、公開されているシロイヌナズナのマイクロアレイデータを基にした遺伝子共発現相関解析を用い、それにより得られた有望な候補遺伝子に関して実験的な解析を進めている。
それら候補遺伝子に関して、シロイヌナズナ培養細胞T87を材料として形質転換体を作製した。それらの中で一次壁形成をターゲットとした転写因子のデキサメタゾン(DEX)誘導型RNAiが、DEX処理により生育が抑制され致死になるという表現型を示した。また、植物体のRNAiにおいても、幼植物をDEX処理することにより根の生育が抑制され培養細胞と同様に致死となることが確認できた。今回、この転写因子の機能に関して、マイクロアレイ解析やガスクロマトグラフィー質量分析器などを利用したメタボロミクス解析を含めて報告する。
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© 2008 日本植物生理学会
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