日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナの花器官におけるHD-ZIP IV遺伝子群の機能
岡田 ひとみ古賀 智味近藤 仁志*高橋 卓
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p. 0237

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抄録
シロイヌナズナの茎頂L1層に特異的な遺伝子の発現には,ホメオドメインを持つ転写因子PDF2とATML1が関わり,これら両方の遺伝子機能が低下した二重変異体pdf2-1 atml1-1は,地上部の表皮細胞が正常に分化しない。また,強い機能欠損の二重変異体pdf2-1 atml1-2は胚致死になる。PDF2とATML1はいずれもHD-ZIP IVと呼ばれる遺伝子群に属し,シロイヌナズナのゲノムにはこのメンバーが16遺伝子存在する。これらの遺伝子の多くはpdf2-1 atml1-1二重変異体において発現が低下することや,GUSレポーターを用いた発現解析の結果から,主に表皮細胞で発現していることが示唆された。本研究者らは,HD-ZIP IV遺伝子群の全ての遺伝子について,T-DNA挿入変異体を得てその表現型を調べたが,gl2anl2の既知の遺伝子変異の表現型とhdg11のトライコームの分枝増加の表現型を除いて,各変異体の成長や形態に異常は認められなかった。
本研究では,表皮細胞分化において中心的な役割を果たすと考えられるPDF2とATML1の変異体と,HD-ZIP IV遺伝子群のその他のメンバーの変異体の交配からそれぞれ二重変異体を作成し,その影響を調べた。その結果,いくつかの組み合わせでは稔性の低下が認められた。
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© 2008 日本植物生理学会
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