日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
会議情報

CCAAT 結合タンパク質L1LとABRE結合bZIP因子は複合体を形成して種子特異的遺伝子発現を制御する
*山本(豊田) 章子豊嶋 涼子谷口 桂太田中 祥代加賀谷 安章服部 束穂
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 0261

詳細
抄録
シロイヌナズナL1Lは、ヘテロ3量体 CCAAT 結合タンパク質NF-YのBサブユニットで、種子成熟制御因子LEC1に最も近いホモログである。L1Lは種子発達過程初期から中期にかけて特異的に発現しており、その発現はLEC1ともうひとつの種子成熟制御因子FUS3に依存している。我々はこれまでに、L1L と NF-YCサブユニットであるHAP5B 及び ABRE結合因子bZIP12/bZIP67をT87 細胞で共発現させると、種子貯蔵タンパク質遺伝子CRCプロモーターを顕著に活性化することを示した。L1L-HAP5B と bZIP12/bZIP67はFUS3誘導性の中間転写因子として一群の種子特異的遺伝子を制御していると考えられることから、これらの作用メカニズムを詳細に解析した。その結果、L1L-HAP5B と bZIP67は植物細胞中で複合体を形成すること、l1l変異体では種子特異的遺伝子SUS2の発現が減少すること、並びにSUS2プロモーターもL1L-HAP5B と bZIP12/bZIP67の制御を受けることが明らかとなった。また、これらの転写因子によるCRCプロモーター活性化にはABREが必要であるが、CCAATは必須でないこと、NF-YAサブユニットによる増幅効果が認められないことなどから、L1L-HAP5Bヘテロ2量体と bZIP12/bZIP67との複合体が直接ABREに作用する可能性が考えられた。
著者関連情報
© 2008 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top