抄録
数百種の宿主植物を持つといわれる白絹病菌(Sclerotium rolfsii)が分泌する低分子病原因子であるシュウ酸は、シロイヌナズナにおいてアニオンチャネルの刺激を介した細胞死を誘導することが知られる。また植物がシュウ酸を認識する初期反応において過酸化水素の生成が観察されることから多様な活性酸素種の関与が推測されてきたが、過酸化水素以外の活性酸素種の検出例は報告されていない。本実験では、タバコ(BY-2)とイネ(ニホンバレ)の培養細胞を用いてシュウ酸および様々なジカルボン酸に応答したスーパーオキシドの生成を解析し、スーパーオキシド生成反応におけるジカルボン酸類の構造活性相関について考察したので報告する。