日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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MAPKカスケードはNOA1を介したNOバーストとNADPHオキシダーゼを介したオキシダティブバーストを制御する
*浅井 秀太吉岡 博文
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p. 0372

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抄録
NOと活性酸素種は様々なストレスに応答して生成されるラジカル分子であり,その生成機構が急激な応答反応であることから,それぞれNOバースト,オキシダティブバーストと呼ばれている.MAPKカスケードは真核生物に保存されている主要なシグナル伝達経路であり,細胞外からの様々な刺激が伝達され,遺伝子発現が制御されている.タバコ植物における防御応答には,MEK2-WIPK/SIPKからなるMAPKカスケードに加え,細胞分裂に関与するMAPKカスケード (NPK1-MEK1-NTF6) が重要な役割を果たしていることが知られている.そこで本研究では,この2つのMAPKカスケードに注目し,NOバーストとオキシダティブバーストの制御機構を明らかにすることを目的とした.アグロバクテリウムを介した一過的な発現系,およびウイルス誘導型ジーンサイレンシングを用いた解析により,MEK2-SIPKカスケードがNbNOA1を介したNOバーストを制御し,MEK2-SIPK,およびNPK1-MEK1-NTF6カスケードがNbRBOHBを介したオキシダティブバーストを制御していることを明らかにした.
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© 2008 日本植物生理学会
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