2024 年 73 巻 2 号 p. 215-222
目的:トランスサイレチン型心アミロイドーシス(ATTR-CM)は心症状に先行して手根管症候群を発症するとされている。今回,我々はATTR-CMにおける神経エコー検査の有用性について検討した。対象と方法:当院にてATTR-CMが疑われた18例を対象に,確定診断された11例をATTR-CM群,除外された7例を非ATTR-CM群とし,神経エコー検査による正中神経の手首位(Wrist)と前腕位(Forearm)の断面積(CSA),手首前腕正中神経CSA比(WFR),心アミロイドーシス(CA)を疑う経胸壁心エコー図検査(TTE)所見の検出頻度を比較した。結果と考察: ATTR-CMと非ATTR-CM群の神経エコー検査のCSAはWrist(18.0 mm2(IQR: 16.0–20.8)vs 10.0 mm2(10.0–11.0); p < 0.05),WFRは(2.24(IQR: 2.00–2.42)vs 1.16(1.03–1.26); p < 0.05)と有意差を認めたが,ForearmのCSAには有意差を認めなかった(p = 0.457)。CAを疑うTTE所見の検出頻度はATTR-CM群で心膜液貯留27%,右室壁肥厚64%,心房中隔肥厚64%,E/A ≥ 2.0 36%,Apical sparing 73%であった。一方,WFR(≥ 1.5)はATTR-CM群全例で認めた。結語:神経エコー検査はATTR-CM診断の一助になり得る可能性が示唆された。