日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナにおける2つのRab5活性化因子の機能解析
*郷 達明砂田 麻里子上田 貴志中野 明彦
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p. 0400

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抄録
Rab5は,エンドソームに局在し,GDP型とGTP型をサイクルして分子スイッチとして機能することにより,エンドソームでの膜融合を制御している.このRab5のGDP型からGTP型への活性化は,Vps9ドメインを持つグアニンヌクレオチド交換因子(GEF)によって厳密に調節されている.シロイヌナズナのゲノム中には,Vps9ドメインを持つタンパク質をコードする遺伝子が2つ存在する(VPS9a, VPS9b).VPS9aは調べたすべての器官で発現しており,シロイヌナズナのすべてのRab5メンバー(ARA7, RHA1, ARA6)を活性化した (1).一方,VPS9bはアミノ酸レベルでVPS9aと類似性が高いが,花粉と胚嚢に特異的に発現した.VPS9bを欠損したvps9b-1変異体は,顕著な表現型を示さなかった.しかし,VPS9aを欠損したvps9a-1変異体では魚雷型胚で胚発生が停止するのに対し,vps9a-1vps9b-1二重変異体では配偶体致死となる確率が高まった.このことから,VPS9aとVPS9bの機能は重複しているが,配偶体世代において,VPS9bによるRab5メンバーの活性化が重要であることが明らかになった.さらに,Rab5メンバーとの相互作用,GEF活性について,VPS9aと比較して議論したい.(1) Goh et al., Plant Cell, in press
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© 2008 日本植物生理学会
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