日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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NIMA様タンパク質カイネースによる表皮細胞の形態調節
*本瀬 宏康富永 るみ和田 拓治酒井 達也杉山 宗隆渡辺 雄一郎
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p. 0428

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抄録
表皮細胞の形態を制御する新規な因子を明らかにするため、表皮細胞に異所的な突起が形成されるシロイヌナズナibo1変異体を単離・解析した。ibo1変異体の胚軸や葉柄の表皮細胞では、細胞中央部から横方向に向かって異所的な成長が起こり、先端が丸い突起が形成される。シロイヌナズナの胚軸表皮では、気孔を含まない細胞列と気孔を含む細胞列が交互に形成されるが、ibo1における異所的な突起は気孔を含まない細胞列において生じた。また、ttg1変異により表皮細胞列の分化を擾乱すると、ibo1における突起形成が抑圧された。生理実験と二重変異体の解析から、エチレンが異所的な突起形成を促進することがわかった。IBO1はNIMA様のタンパク質カイネースをコードしており、ibo1-1変異によりカイネース活性が消失していた。IBO1は表層微小管に局在し、細胞骨格系を介して表皮細胞の異所的な伸長抑制や形態形成に関与すると考えられる。
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© 2008 日本植物生理学会
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