日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ラン藻Synechocystis sp. PCC 6803由来プロトポルフィリノーゲンIXオキシダーゼ遺伝子の探索
*加登 一成田中 亮一田中 歩保坂 秀夫
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p. 0513

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抄録
プロトポルフィリノーゲンIXオキシダーゼ(Protox)は、ヘムおよびクロロフィルに共通の合成経路の最終段階を触媒する。これまで、真核生物および好気性細菌はHemY遺伝子にコードされるおよそ55kDaのProtoxを、大腸菌やサルモネラ菌はHemG遺伝子にコードされるおよそ21kDaのProtoxを持っていることが明らかになっている。しかし、ゲノム配列の解析されたラン藻の多くの種においてはHemYまたはHemGのホモログは見つかっておらず、HemY型のProtox阻害剤であるジフェニルエーテル系除草剤に耐性を示す。また、ラン藻Protoxの解明は、光合成色素系の進化の過程を探る上でも重要である。
本研究ではラン藻Synechocystis sp. PCC 6803のProtox遺伝子を同定することを目的とした。あらかじめシロイヌナズナ由来Protox遺伝子を導入したラン藻形質転換株(AT株)を作成し、AT株に対してトランスポゾンを用いたランダムな遺伝子破壊を行い、Protox阻害剤に対する感受性を指標に選抜した。その結果、Protox阻害剤の存在下で特異的に死滅する変異株が得られ、トランスポゾンタグの入った遺伝子として機能未知のタンパク質をコードする遺伝子を特定した。本発表では、野生株の同遺伝子破壊株の形質についても報告する。
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© 2008 日本植物生理学会
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