日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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イネ細胞質雄性不稔性に関わるプロテインキナーゼの解析
*藤井 壮太鳥山 欽哉
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p. 0611

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抄録
細胞質雄性不稔性(CMS)はF1ハイブリッド育種に重要な形質であり,核とミトコンドリアとのゲノム障壁によって生じると考えられる.我々は,由来が異なる3種類のイネ細胞質雄性不稔系統を用いての細胞質雄性不稔性のメカニズム解明を目的としている.本研究では,そのうちCMS系統で発現が減少していたプロテインキナーゼの機能解析を行ったので結果を示す.OsNek3はイネの3種類のCMSにおいて発現が減少している因子である.正常型細胞質を持つ台中65においては,OsNek3の栄養器官での発現は微量であり,成熟葯や成熟花粉で高いmRNA蓄積が見られた.OsNek3へのTos17挿入は,アリルosnek3-1, osnek3-2共に胞子体型の雄性不稔形質と完全連鎖していたことから,OsNek3の機能欠損は葯の形成阻害を引き起こすものと考えられた.以上から,OsNek3は雄性器官の発達に必須な因子であることが考えられた.プロテインキナーゼであるOsNek3を介したシグナル伝達系がCMS誘発機構の下流に位置している可能性も考えられ,今までブラックボックスであったミトコンドリアとCMSの関連を説明するために貴重な情報と成りうると考えている.
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© 2008 日本植物生理学会
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