日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナの根の放射パターン形成に異常を示す変異体の解析
*宮島 俊介橋本 隆中島 敬二
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p. 0633

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抄録
多細胞生物は細胞が規則正しく配置することで組織および器官を形成する。シロイヌナズナの根では維管束組織を取巻くように内側から内鞘、基本組織(内皮、皮層)、表皮、側部根冠が同心円状に形成される。これまでに放射パターン形成の分子機構への理解は、内皮細胞層の形成過程におけるGRAS型転写調節因子であるSHORT-ROOT (SHR)及びSCARCROW (SCR)の機能などに限られている。
本研究においては、放射パターン形成に機能する新たな分子経路を明らかにするために、共焦点レーザー顕微鏡を用いて根端部の細胞パターンに異常を示すシロイヌナズナ変異体を複数単離した。劣性変異体である5gf32変異体は、通常2層の細胞層(1層の内皮と1層の皮層)から形成される基本組織に3層の細胞層が観察され、さらに同一組織の細胞が明確な同心円パターンを示さなかった。本発表では、分化マーカー遺伝子の発現に基づいた5gf32変異体の詳細な表現型解析と5GF32遺伝子とSHR/SCR経路との遺伝学的解析から、根における放射パターン形成における5GF32遺伝子の機能について討論する。
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© 2008 日本植物生理学会
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