抄録
3 軸加速度計を用いた歩行分析では,一般的に加速度前後成分から前方加速度ピークを検出しheel contact を同定する方法がある.しかし,脳卒中片麻痺患者を対象とした歩行時の体幹加速度計測では前方加速度ピークの検出が困難な場合が多い.そこで本研究は加速度前後成分の後方加速度ピークを指標とした時間パラメーターを抽出する方法(posterior peak method)について,その有用性を検証した.その結果,脳卒中片麻痺患者のposterior peak method より得られたストライド時間の級内相関係数[ICC(1,1)]は0.97,床反力計とposterior peak method より得られたステップ時間の相関はr = 0.99(p < 0.01)であった.本研究の結果よりposterior peak method は有用であると考えられた.