日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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過酸化水素水で吸水したダイズの発芽・発芽後成長促進
*平賀 勧大坪 憲弘小川 健一
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p. 0659

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抄録
過度な活性酸素は植物の生育を妨げるが、適度な活性酸素処理は逆に成長を促すことが様々な植物で示されている。本研究では、ダイズの発芽、ならびに発芽後成長に及ぼす過酸化水素処理の影響について調べた。
ダイズ種子を一定時間過酸化水素水中に浸漬して吸水させたところ、粒大や種皮色の異なる様々な品種で発芽の促進が観察された。本研究で行った実験条件では、過酸化水素処理が発芽を抑制することは無く、また、過酸化水素水での吸水は、水で吸水させる際にエアレーションで溶存酸素濃度を高くした場合よりも明らかに発芽を促進していたことから、過酸化水素処理が、種子でのカタラーゼ(様)反応による酸素発生を通してでは無く、酸化刺激として作用したと考えられた。
発芽後成長期のダイズは、低酸素条件にさらされるとその後の成長が明らかに遅延する。酸素が十分な場合(21% O2)は、過酸化水素水中で吸水させたダイズと水で吸水させたダイズの間で、発芽後成長には差が認められなかったが、播種後、酸素分圧を4ないし5%に低下させた条件では、過酸化水素中で吸水させた方が良好に成長していた。よって、ストレス条件下では、過酸化水素処理による酸化刺激がダイズ発芽後成長も促進するものと考えられた。
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© 2008 日本植物生理学会
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