抄録
細胞分裂周期の進行は、内的または外的な様々な要因によって常にストレスを受けており、それによってDNA複製の中断や染色体の分配異常などが引き起こされることが知られている。細胞周期チェックポイントとは、こうした異常事態の際に細胞周期の進行を停止し、適切な処理が行われるまで次のステップに移行しないようにするための機構である。
我々は、シロイヌナズナの紫外線感受性変異株のスクリーニングの過程で、suv2 (sensitive to UV 2) 変異株を単離した。suv2変異株は、様々なDNA変異原やヒドロキシウレアに対して感受性を示し、その表現系は損傷チェックポイントに関わるAtATRの欠損株に非常に良く似ていた。さらに、SUV2蛋白質はGCN4型のコイルドコイルドメインを持つ蛋白質をコードしており、N末側にはPI3K様プロテインキナーゼのターゲット配列が2カ所存在していた。そこで、SUV2蛋白質同士どうしの相互作用を酵母two-hybridの系で解析したところ、SUV2は2量体を形成することが明らかになった。また、SUV2蛋白質はシロイヌナズナ核抽出物によってin vitroでリン酸化された。我々はSUV2がATRの活性を制御するATRIP/Rad26のシロイヌナズナにおけるホモログであると結論づけ、AtRad26と命名した。