日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナの硫黄代謝に関わるAPSキナーゼ群の機能解析
*吉本 尚子中里 好美嶋 聡子高橋 秀樹野路 征昭斉藤 和季
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p. 0770

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抄録
高等植物は土壌液中の硫酸イオンを細胞内に取り込み、活性硫酸であるアデノシン5’-ホスホ硫酸(APS)へと変換する。APSは、システイン合成経路と、APSキナーゼを介した3’-ホスホアデノシン5’-ホスホ硫酸(PAPS)の合成経路に分配される。PAPSは生体内で行われる様々な硫酸化反応に必要な硫酸イオン供与体として機能する。シロイヌナズナのゲノムには4つのAPSキナーゼ遺伝子(AKN1AKN2AKN3AKN4)が存在する。大腸菌発現系を用いてこれらがコードするAKNタンパク質を発現させ、アフィニティーカラムを用いて精製した。全てのAKNアイソザイムはAPSキナーゼ活性を示した。RT-PCR解析の結果、4種のAKN遺伝子のうちAKN2だけが硫黄欠乏に応答してmRNA量が顕著に減少することが示された。各AKN遺伝子のプロモーター領域の下流にAKNコード領域とGFPコード領域をつないだ融合遺伝子を導入した形質転換シロイヌナズナを作出したところ、AKN1、2、4はプラスチドに、AKN3は細胞質に局在することが示唆された。さらに、各AKNアイソザイムはそれぞれ細胞特異的発現性が異なることが示された。シロイヌナズナにおけるPAPS合成は、硫黄環境変化に対する応答性や局在性の異なる4種のAPSキナーゼアイソザイムによって適切に調節されていると予想される。
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© 2008 日本植物生理学会
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