日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
会議情報

Antirrhinum属のフラボノイド水酸化酵素の機能解析と進化
石黒 加奈子谷口 ますみ島津 知華*田中 良和
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 0779

詳細
抄録
チトクロームP450に属するフラボノイド3’,5’-水酸化酵素(F3’5’H) とフラボノイド3’-水酸化酵素(F3’H)はそれぞれデルフィニジン、シアニジンを合成するための鍵酵素である。両酵素はチトクロームP450の分類ではそれぞれサブファミリーCYP75A、CYP75Bに属し、両サブファミリーは種子植物の分化以前に分岐したと考えられる。ところが、キク科の植物においてはF3’5’H遺伝子はF3’H遺伝子から生じたことが最近示された。
園芸種のキンギョソウAntirrhinum majusはペラルゴニジンとシアニジンを生産するがデルフィニジンは生産せず、紫から青色の品種がない。一方同属のA. kellogiiには紫色の品種があり、デルフィニジンを蓄積できる。A. kellogiiのF3’5’Hの起源を探るために、花弁cDNAライブラリーからCYP75A(2種)とCYP75B(1種)分子種を取得した。これらをF3’HとF3’5’H遺伝子が欠損しているペチュニアで発現させたところ、それぞれデルフィニジン、シアニジン由来のアントシアニン量が上昇し、花色も変化した。これはA. kellogiiのCYP75A とCYP75B はF3’5’H、F3’H活性をコードすることを意味する。したがってAntirrhinum属においては進化の過程でA. majusはF3’5’H活性を失ったと考えられる。
著者関連情報
© 2008 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top