2002 年 13 巻 1 号 p. 67-70
下大静脈フィルターにより下大静脈穿孔を来した症例を経験したので報告する.症例は72歳,男性.深部静脈血栓症による肺梗塞症にてGreenfield filter(以下,GF)を挿入した.その約6カ月後に出血性ショックにて入院し,CT検査にて巨大な後腹膜血腫を認め,GFによる下大静脈穿孔と診断した.入院後,ただちに施行した抗ショック療法が奏功し,手術治療に移行することなく軽快し,第39病日目に退院した.現在6年を経過するも,著変を認めていない.GF挿入後の経過として,特殊な合併症である下大静脈穿孔の発症も考慮した注意深い経過観察が必要である.