日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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イネのDREB1/CBFファミリー遺伝子の網羅的解析
*伊藤 裕介圓山 恭之進篠崎 一雄篠崎 和子
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p. 0814

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抄録
植物の生育は乾燥や高塩や低温のような環境ストレスの影響を受ける。シロイヌナズナのDREB1/CBFはシスエレメントDRE/CRTに結合し、多くのストレス応答性遺伝子の発現を制御している転写因子である。我々はイネのDREB1ホモログ遺伝子としてOsDREB1を単離した。これまでに、OsDREB1A遺伝子は低温誘導性を示し、この遺伝子を過剰発現したイネでは多くのストレス誘導性遺伝子の発現が上昇して、乾燥・高塩・低温ストレス耐性になることを報告した。さらに昨年度の植物生理学会においてイネはOsDREB1遺伝子ファミリーとして10遺伝子を保持しているが、乾燥・高塩誘導性のものがあること、9遺伝子は転写活性化因子としての機能を持つこと、DNA結合特性に違いがあることを報告した。
今回、我々はOsDREB1Aを過剰発現するイネをアジレント社の44kマイクロアレイを用いて解析したところ、約50の遺伝子が3倍以上誘導された。さらに他のOsDREB1ファミリー遺伝子を過剰発現するイネについても、マイクロアレイやノーザン解析による発現解析を行い、標的遺伝子に差異があることを確認した。これらの結果は、同じOsDREB1ファミリーに属する転写因子の間にもDNA結合特性に差異が存在し、植物体内での機能に差異があることを示唆している。
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© 2008 日本植物生理学会
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