抄録
約13,000種類のイネ完全長cDNAをmixしてCaMV35Sプロモーター下流に連結し、アグロバクテリウムを介してシロイヌナズナに導入することにより、イネ完全長cDNA高発現シロイヌナズナ系統(イネ-ナズナFOX系統)が作出された(松井ら、第47回日本植物生理学会年会講演要旨P.97(2006))。本研究ではイネ由来の病害抵抗性遺伝子を探索する目的で、これまでに作製されたイネ-ナズナFOX系統2万系統(T2)について、シロイヌナズナの病原細菌Pseudomonas syringae pv. tomato DC3000(Pst3000)に対する感染抵抗性系統の選抜を行った。播種後3週間の植物に、Pst3000をdip法(0.5-2×108CFU/ml)で接種し、6日後に植物の生存状況を調査した。3次スクリーニングまで終了し、最終的にPst3000抵抗性を示した69の候補系統を選抜し、それらに導入されている完全長cDNAを50個以上同定した。同定した完全長cDNAについてシロイヌナズナでの再導入実験を進行中であるが、これまでに少なくとも13個のcDNAについてPst3000抵抗性を再現することを確認した。これらのcDNAによるシロイヌナズナでの耐病性機構について、qPCR等を用いた解析結果を報告する予定である。さらに同定された完全長cDNAを過剰発現させたイネ(T1世代)での耐病性検定の結果についても報告予定である。
本研究は、科学技術振興調整費「イネ完全長cDNAによる有用形質高速探索」によって行なわれた。