日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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エンバクにおけるストレス誘導性タンパク質の検出および同定
*山本 由香花井 陽介岩佐 優北村 麻里宮下 正弘松川 哲也石原 亨宮川 恒岩村 俶
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p. 0935

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抄録
エンバクはファイトアレキシンの誘導に代表されるような生体防御に関する化学的知見が豊富である一方で、ストレス誘導性タンパク質の蓄積をはじめとする生化学的知見は乏しいのが現状である。そこで本研究では、エンバクにおける生体防御機構をタンパク質レベルで解析するため、ストレス誘導性タンパク質の検出を試みた。
播種後1週間のエンバク第一葉の裏側表皮を除去しキトサン水溶液に浮かべたものをエリシター処理葉、蒸留水に浮かべたものを対照葉とし、二次元電気泳動に供した。その結果、エリシター処理葉にのみ存在するタンパク質が細胞間隙および細胞質において数種類見いだされた。また、これらのタンパク質は傷害によっても同様の様式で誘導される事から、エンバクの病害反応と傷害に対する応答は共通のメカニズムを経て発現する事が推測された。さらに、生体防御機構におけるストレス誘導性タンパク質の生理学的意義について考察するため、見いだされたタンパク質を LCMS-IT-TOF を用いて同定した。その結果、多くの植物種において植物防御機構への関与が推測されているタンパク質である事が示された。
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© 2008 日本植物生理学会
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