日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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発光レポーター遺伝子を用いたシロイヌナズナBIK1遺伝子プロモーターの発現制御解析
*盤指 豪浦田 信明田中 恒之笹野 佳奈子小野 祥子平塚 和之
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p. 0951

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抄録
植物は病害感染時に病原体を認識し、複雑な情報伝達系を介して生体防御反応を誘導する。このため、病害抵抗性機構の解明とその制御には防御反応に関与する遺伝子の発現状況を把握し、的確に評価する事が必要となる。我々はホタル由来の発光遺伝子を利用し,病害応答性遺伝子の発現制御動態のモニタリングとその応用を目的としたin vivo発現解析系を構築している。本解析系によって各種遺伝子プロモーターの発現様式を詳細にモニターする事が可能になるだけでなく、化合物の抵抗性誘導活性の評価や作用機作の解明に応用できる事を示してきた。最近、病害関連ストレスに対して特徴的な発現パターンを示すBIK1Botrytis-induced kinase1)遺伝子が単離され、その性状に興味が持たれている。BIK1遺伝子は腐生性病原菌感染時に発現するタンパク質リン酸化酵素をコードする遺伝子であるが、病害応答経路における代表的なシグナル伝達物質(SA、MeJA、ET)処理による顕著な発現誘導を示さない。また、既知のシグナル伝達経路のクロストークに関与する事が示唆されているが、BIK1遺伝子の発現制御機構には不明な点が多い。そこで、今回はBIK1遺伝子のプロモーター領域とルシフェラーゼレポーターの融合遺伝子を導入した形質転換体を作出し,各種化合物処理(SA、MeJA、エリシター等)及び各種病原菌接種による発現様式の変化を経時的に観察した事例について報告する。
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© 2008 日本植物生理学会
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