日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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イオンビーム法で得たイタビ変異体における二酸化窒素の吸収と代謝
高橋 美佐Kohama Sueli重藤 潤長谷 純宏田中 淳坂本 敦*森川 弘道
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p. 0974

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抄録
二酸化窒素(NO2)は、都市大気の主汚染物質の1つである。クワ科イチジク属のヒメイタビ(Ficus thunbergii Maxim)は、蔓性常緑街路樹で、NO2同化力は、70タクサの樹木の中で4番目に高い。本研究は、イオンビーム照射によるイタビのNO2吸収同化力の分子生理学的改良を究極の目的とする。
無菌的イタビ切片を2%ショ糖、0.3%ゲランガム、46.7 nMチジアズロン、1.78 μMベンジルアデノプリンを含むWP培地(pH 5.8)上で2~3日間培養した後、12C5+ (220 Me V)、4He2+ (50 Me V)、12C6+ (320 Me V)を用いてイオンビーム照射した。再分化した茎葉を発根させ、約20 cmに伸長した植物体を約一ヶ月間馴化した。1 ppm 15NO2で8時間暴露を行なった後、葉を採取、EA/MSを用いてNO2由来の全窒素量およびケールダール窒素量を測定、NO2 吸収・同化量を求めた。
得られた263再分化体のNO2吸収力を調査した結果、コントロール植物に比べて1.4倍高いNO2吸収能をもつ変異体が選抜された。また、この変異体のNO2同化力は、コントロール植物の1.8倍であった。以上、植物のNO2吸収同化力には、分子生理学的改良が可能であることが示された。その原因遺伝子の解明は今後の研究における重要な課題である。
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© 2008 日本植物生理学会
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