日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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植物プランクトンにおけるNPQ測定
*皆川 純
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p. S0060

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抄録
光は植物の行う光合成に必須である一方、過剰に与えれば有害なものとなる。そこで、強光条件下の植物では、チラコイト膜内外にプロトン濃度勾配が形成されることに端を発し、集光アンテナによって集めたエネルギーを熱として系外へ排出する仕組みが誘導される。この仕組みは、qEクエンチング(高エネルギー状態依存の蛍光消光)と呼ばれ、「暗条件下の最大蛍光収率(Fm)と励起光下の最大蛍光収率(Fm’)の差」として容易に観察することができる。通常、高等植物におけるNPQ(non-photochemical quenching)の大部分はこの仕組みによるものとされるため、qEクエンチングとNPQはしばしば同義のものとして扱われる。しかし、植物の種類によってはqEクエンチング以外のNPQ成分が主要である場合があるので気をつけなければならない。本講演では、NPQの形態の一つとしてステート遷移をとりあげ、緑藻等の植物プランクトンにおけるNPQの特徴と測定について紹介する。
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© 2008 日本植物生理学会
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