日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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緑藻クラミドモナスにおける9種の光化学系I集光性タンパクの配置の解析
*大西 岳人高橋 裕一郎
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p. 0041

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抄録
高等植物の光化学系I(PSI)は14-15種のサブユニットと4-6種の集光性タンパク(LHCI)からなる巨大な複合体を形成する。エンドウのPSI-LHCIの結晶構造では、4種のLHCIがテトラマーを形成している。テトラマーの一方の端はPsaGの、他方の端はPsaKの近傍に存在する。緑藻Chlamydomonas reinhardtiiのPSIは高等植物のPSIとほぼ同様のサブユニット組成をもつが、LHCIは9種も存在する。これほどの多くのLHCIがとる構造は不明のままである。そこで、我々はクラミドモナスのLHCIとPSIのサブユニットの抗体を作製し、単離したPSI-LHCI標品のサブユニットを化学架橋することによりLHCIの複合体内での配置の解析を行った。9種あるLHCIのうち、量が少ないLhca2と Lhca9は架橋し、さらにLhca9はPsaGと架橋した。一方、PsaKはLhca3と架橋した。オリゴマーLHCIの中心付近に存在するPsaFはLhca8と架橋した。その他に、LHCI同士の架橋産物として、Lhca4-8、Lhca5-6が検出された。以上の結果から、9種のLHCIサブユニットの部分的な配置が明らかにされた。
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© 2009 日本植物生理学会
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