日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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葉緑体に局在するシロイヌナズナDEAD-box RNA helicase RH39の機能解析
*西村 健司小川 太郎蘆田 弘樹横田 明穂
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p. 0152

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抄録
DEAD-boxファミリータンパク質は、ほとんど全ての生物種に存在しており、酵母を中心とした遺伝学的解析から、RNAスプライシング、リボソーム生合成、翻訳等の様々な細胞内プロセスに関わることが知られている。しかしながら、高等植物のDEAD-boxタンパク質についての知見は非常に乏しく、特に葉緑体での機能はこれまで明らかにされていない。RuBisCOの蓄積量が低下した変異体として単離されたシロイヌナズナnara12-1 (necessary for the achievement of RuBisCO accumulation) の原因遺伝子は、DEAD-boxタンパク質のひとつであるRH39をコードしていた。RH39のN末端領域とGFPの融合タンパク質のタバコ葉を用いた一過的発現解析から、RH39は植物細胞内において葉緑体で機能することが確認された。またノザン解析の結果、nara12-1 変異体は葉緑体rRNAのプロセシングに異常があることが明らかとなった。さらにRH39遺伝子のT-DNA挿入変異体nara12-2 は種子形成が異常なため致死であった。以上の結果から、RH39は葉緑体rRNAの成熟化と植物の正常な発達に不可欠であることが示唆された。
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© 2009 日本植物生理学会
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