日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナにおけるACT domain containing proteinをコードする遺伝子( ACT1, ACT2)の発現特性と機能解析
*伊藤 友紀杉山 健二郎櫻井 望青木 考鈴木 秀幸柴田 大輔平野 盛雄
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p. 0179

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抄録
我々はこれまでに、公開されているマイクロアレイから算出された遺伝子発現相関表を利用して、シロイヌナズナの窒素代謝に関与する遺伝子群に対して共発現解析を行い、葉緑体型グルタミン合成酵素(GS2)遺伝子と高い発現相関を示す新規な遺伝子を見出した。この遺伝子は、大腸菌のグルタミンセンサーGlnDのアミノ酸結合ドメイン(ACTドメイン)を有しており、ACT1(ACT domain containing protein 1)と命名した。シロイヌナズナデータベースへのBLAST検索の結果、シロイヌナズナは2種類のACTホモログ遺伝子を有することが判明した( ACT1, ACT2)。本研究では、 ACT1および ACT2をシロイヌナズナより単離し、その発現特性の解析を行なうと共に、シロイヌナズナの ACT1遺伝子破壊株および ACT2遺伝子破壊株を用いて機能解析を行った。
RT-PCR解析の結果、 ACT1および ACT2の転写産物は、それぞれシロイヌナズナのロゼット葉および根において主に蓄積が認められた。シロイヌナズナの野生株、 ACT1遺伝子破壊株、および ACT2遺伝子破壊株の生育調査の結果、いずれの遺伝子破壊株においても、野生株と比較して生育の遅延が認められた。現在、それぞれの遺伝子破壊株について、詳細な遺伝子発現、および代謝産物の蓄積量変化について解析を行っている。
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© 2009 日本植物生理学会
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