日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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タバコ培養細胞におけるヒアルロン酸生産能の向上
*柴谷 滋郎濱田 衣美長屋 進吾柴田 大輔新名 惇彦加藤 晃
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p. 0801

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抄録
ヒアルロン酸は、グルクロン酸とN-アセチルグルコサミンがβ1,3およびβ1,4結合した二糖の繰り返し構造を有する直鎖状の多糖である。現在、ヒアルロン酸は、鶏冠からの抽出、微生物を用いた醗酵法等により生産され、化粧品素材、医療用途、健康食品等での需要の拡大と共に、近年、その生産量は伸び続けている。我々は、ヒアルロン酸の新たな製法として、植物におけるヒアルロン酸の大量生産を目指している。これまでに、クロレラウイルス由来ヒアルロン酸合成酵素遺伝子(cvHAS)を導入したタバコBY-2培養細胞およびタバコ植物体において、ヒアルロン酸が生産可能であることを見出している。今回、BY-2細胞におけるヒアルロン酸生産能を向上させる目的で、ヒアルロン酸合成経路における鍵酵素として着目したUDP-グルコースデヒドロゲナーゼ遺伝子(Ugd)およびグルタミン:フルクトース-6-リン酸アミドトランスフェラーゼ遺伝子(GFAT)をcvHASに連結し、三重遺伝子を導入した形質転換体を作製した。高生産ラインを選抜した結果、ターミネーターを改変した三重遺伝子の導入系統は、ヒアルロン酸生産能が顕著に向上した。さらに、高生産ラインの生産するヒアルロン酸は、cvHAS導入系統に比較して、高い分子量を有していた。
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© 2009 日本植物生理学会
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