日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
会議情報

シアノバクテリアSynechococcus elongatus PCC 7942における分子シャペロンDnaKとDnaJのパートナーシップ
*葉山 綾乃柴本 理宏小澤 慎吾渡辺 智荷村(松根) かおり吉川 博文
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 0012

詳細
抄録

分子シャペロンDnaKはATPase活性を有し、DnaJ、GrpEと共に新生ポリペプチドのフォールディングを始めとする幅広い細胞機能に関与する。シアノバクテリア Synechococcus elongatus PCC 7942 には3つのdnaKホモログ(dnaK1, dnaK2, dnaK3)、及び4つのdnaJホモログ(dnaJ1, dnaJ2, dnaJ3, dnaJ4)が存在し、これらは必須性、ストレス応答、細胞内局在が異なることが明らかとなっている。各DnaK, DnaJは組み合わせを変えることで特異的な機能を分担することが考えられたため、これらのパートナーシップについて解析した。
S.7942株のDnaK、DnaJ、GrpEを精製し、マラカイトグリーン法を用いてATPase活性を比較した。3つのDnaKの中ではDnaK2が最も高いATPase 活性を示した。またDnaKのATPase活性はDnaJとGrpEの添加によって増加した。特にDnaK1、DnaK2に対してはDnaJ2が、DnaK3に対してはDnaJ3が最もATPase活性を促進した。
現在、変性させたルシフェラーゼ、グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼを基質としたリフォールディング活性についても比較している。本発表ではそれらの結果についても報告する。

著者関連情報
© 2010 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top