p. 0012
分子シャペロンDnaKはATPase活性を有し、DnaJ、GrpEと共に新生ポリペプチドのフォールディングを始めとする幅広い細胞機能に関与する。シアノバクテリア Synechococcus elongatus PCC 7942 には3つのdnaKホモログ(dnaK1, dnaK2, dnaK3)、及び4つのdnaJホモログ(dnaJ1, dnaJ2, dnaJ3, dnaJ4)が存在し、これらは必須性、ストレス応答、細胞内局在が異なることが明らかとなっている。各DnaK, DnaJは組み合わせを変えることで特異的な機能を分担することが考えられたため、これらのパートナーシップについて解析した。
S.7942株のDnaK、DnaJ、GrpEを精製し、マラカイトグリーン法を用いてATPase活性を比較した。3つのDnaKの中ではDnaK2が最も高いATPase 活性を示した。またDnaKのATPase活性はDnaJとGrpEの添加によって増加した。特にDnaK1、DnaK2に対してはDnaJ2が、DnaK3に対してはDnaJ3が最もATPase活性を促進した。
現在、変性させたルシフェラーゼ、グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼを基質としたリフォールディング活性についても比較している。本発表ではそれらの結果についても報告する。