日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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phyBシグナル伝達経路に関わる新奇因子PHL
*遠藤 求村上 匡史谷川 善康鈴木 友美荒木 崇長谷 あきら
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p. 0455

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抄録
植物の栄養生長から生殖生長への転換において、光は最も重要な環境シグナルである。シロイヌナズナにおいてはフィトクロム(phy)、クリプトクロム、フォトトロピンなどの光受容体が知られており、フィトクロムB(phyB)は、花成の促進因子であるFLOWERING LOCUS T (FT)とそれに続くSUPPRESSOR OF OVEREXPRESSION OF CO 1 (SOC1)の発現を抑制することで、花成を制御していることが知られている。phyBは転写を制御することで下流にシグナルを伝えていると考えられているが、その具体的な仕組みは明らかにされていない。
今回、phyBによる花成制御に関わると考えられる新奇因子としてPHLを同定した。phl変異体は長日条件、短日条件ともに遅咲き表現型を示しFTSOC1の発現が減少していたが、その表現型はphyBに依存したものであった。さらに、PHLタンパク質は核局在で、phyBと物理的に相互作用することが明らかになった。本発表では、phyBによる花成制御のシグナル伝達経路におけるPHLの想定される役割について議論する。
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© 2010 日本植物生理学会
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