日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
会議情報

CLV2を中心としたHsp90型分子シャペロンSHEPHERDの相互作用因子の解析
*村井 裕一郎丹羽 智子中村 研三石黒 澄衞
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 0528

詳細
抄録
シロイヌナズナのSHEPHERD(SHD)タンパク質は、小胞体に局在するHsp90型の分子シャペロンであり、その標的タンパク質はまだ同定されていない。Ws系統のshd変異体は、心皮の枚数が増加するclavata2(clv2) 変異体と酷似の表現型を示す。この現象から我々は、CLV2WsはSHDによる分子シャペロンの作用を受けることで初めて機能できる、つまりCLV2WsはSHDの標的タンパク質であると考えている。しかし、それを証明するためにはSHDとCLV2Ws の直接的な相互作用を確認する必要がある。
そこでまずは大腸菌を用いてSHD全長と、CLV2WsのN末端から膜貫通ドメインまでを発現させたタンパク質を用いて、両者の直接的な相互作用をpull-down assayとBiacoreを用いて確認した。その結果SHD、CLV2Ws間での相互作用を確認することができ、さらにこの際、Col系統のCLV2ColもSHDと相互作用することが明らかとなった。
またshd変異体は根や花粉管の伸長阻害など、多様な表現形を示すことから、CLV2以外にも標的タンパク質が存在すると考えられる。そこでLC-MS/MSを用いてSHDの標的の探索を進めている。
著者関連情報
© 2010 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top