日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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Class-C MADS-box転写因子のキメラリプレッサーと誘導型発現抑制システムを用いた八重アサガオの作出
*小野 公代大関 悠子川崎 真澄鎌田 博光田 展隆高木 優小野 道之
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p. 0036

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抄録

CRES-T法(Chimeric REpressor gene-Silencing Technology)は、転写因子に、シロイヌナズナの転写抑制ドメイン(SRDX)を連結する事により転写抑制因子に改変し、機能が重複した転写因子が存在してもターゲット遺伝子の発現を効率よく抑制することが可能である。しかし、導入転写因子によっては、転写抑制因子の過剰発現により成長不良や種子の稔性低下がみられる。本研究では、効率的な遺伝子組換え花卉の作出に向け、導入遺伝子の発現を時・空間的に制御するため、酵母のGAL4転写因子の転写システムを利用し、35S:GAL4 UAS制御下で過剰発現している導入遺伝子の発現を、エタノール誘導または熱ショック誘導プロモーターによりGAL4のキメラリプレッサーを発現誘導することによって、一過的に抑制するベクターを構築した。導入遺伝子としては、八重咲きに関わるAGのキメラリプレッサー(AGSRDX)及びAGのアサガオにおけるホモログであるDPのキメラリプレッサー(DPSRDX)をアサガオに導入した。35S::DPSRDX導入アサガオは再分化中に生育が停止し枯死してしまうが、再分化中のGAL4SRDXの誘導発現により正常に個体再生し、八重咲きのアサガオを咲かせる事に成功した。さらに、誘導処理により、八重咲きのアサガオを一過的に、野生型の一重に戻すことにも成功した。

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© 2011 日本植物生理学会
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