日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
会議情報

CDPK/CPK-SnRK とCBLの膜移行シグナルとなる脂質修飾の解析
*武藤 潤佐藤 陽子小林(田渕) 真由美安藤 陸仁山内 清司戸澤 譲内海 俊彦魚住 信之
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 0085

詳細
抄録
植物のCDPK/CPK-SnRK(calcium-dependent protein kinase-SNF1-related kinase) superfamilyとCBL(calcineurin B-like protein)タンパク質のいくつかの分子は、膜輸送体の活性を調節することにより気孔開閉の制御やイオン養分吸収などを介して、環境変化への応答に関与している。脂質修飾は水溶性タンパク質の膜移行を誘導する。今回、シロイヌナズナCPKのうちN末端に脂質修飾部位が存在する29個のCPKについて昆虫培養細胞抽出液および小麦胚芽抽出液の両方を用いたin vitro解析を行ったところ、多くのCPKにおいてミリストイル化修飾を確認した。シロイヌナズナの38個のSnRK familyタンパク質のうち、N末端に脂質修飾部位が存在するのは2つのみであった。in vitro解析を行ったところ、この2つのSnRKから脂質修飾は検出されなかった。シロイヌナズナCBLのうちN末端にミリストイル化修飾部位を持つCBL1, CBL4, CBL5, CBL9についてもin vitro解析を行ったところ、4分子すべてがミリストイル化修飾されることが明らかとなった。上記の結果から、脂質修飾による膜移行性をもつ候補分子が明らかになり、膜タンパク質の機能調節を行う可能性のある分子の情報を得ることができた。
著者関連情報
© 2011 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top