日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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イネにおけるRBCS multigene familyの分子種別knock-downが葉身Rubisco量に及ぼす影響
*小川 瞬鈴木 雄二菅野 圭一牧野 周
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p. 0163

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抄録
光合成炭酸固定酵素Rubiscoは植物の成熟葉で最も多量なタンパク質であり、核ゲノム上のRBCSにコードされる小サブユニットおよび葉緑体ゲノム上のrbcLにコードされる大サブユニット、それぞれ8つずつからなる計16量体である。このうちRBCSはmultigene familyを形成していることが知られているが、個々の遺伝子が葉身Rubisco量を決定する上でどのような役割を担っているかは未だ明らかではない。そこで本研究では、イネ (Oryza sativa L.) において5分子種存在するRBCSOsRBCS1から5)のうち葉身で主に発現しているOsRBCS2から5をRNAi法によって個別に発現抑制し、幼植物期・栄養成長期・生殖成長期の葉身Rubisco量に及ぼす影響を調べた。各分子種の発現抑制体の葉身Rubisco量の減少量は生育ステージによって大きくは変わらず、野生型と比べてRBCS23で30%程度、45で5~20%程度減少していた。このことは程度は異なるものの、それぞれの分子種がイネの一生を通して一定程度Rubisco合成に関与していることを示唆していた。
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© 2011 日本植物生理学会
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