日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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ストリゴラクトン経路で働くD14とD14likeの機能
*亀岡 啓有手 友嗣花田 篤志秋山 康紀林 誠山口 信次郎経塚 淳子
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p. 0353

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抄録
ストリゴラクトンは腋芽の伸長を抑制する植物ホルモンであるが、その受容やシグナル伝達の経路には不明な点が多い。
イネのDWARF 14(D14) はα/β-hydrolase様タンパク質をコードしており、d14変異体はストリゴラクトン非感受性の表現型を示す。また、イネはD14パラログであるD14likeを持つが、D14likeオーソログはD14オーソログより広く地上植物に保存されていることが明らかとなっている。しかし、D14 とD14likeがストリゴラクトン経路でどのように働いているのかは未解明である。
D14like RNAi系統を作出し、表現型をd14変異体と比較すると、メソコチルの伸長促進は両方で見られたが、腋芽の伸長促進や根の伸長阻害などの表現型はd14変異体のみで見られた。このことから、D14 とD14likeが重複した働きをする場合と独自に働く場合があることが明らかとなった。
また、RNA in situ ハイブリダイゼーションを行うと、D14とD14likeのmRNAはメリステムや若い葉、維管束の伴細胞と木部柔組織で発現が見られたが、GFP融合タンパク質をオウンプロモーターで発現させた系統でタンパク質の局在を観察すると、mRNAの発現部位以外に、師部要素の中にもGFPの蛍光が観察された。このことから、D14タンパク質は師管液中を輸送されている可能性が考えられた。
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© 2011 日本植物生理学会
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