日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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クラスA Hsfsによる強光ストレス応答性のHsfA2の発現制御機構の解明
*野坂 亮太林 秀樹吉田 絵梨子西澤(横井) 彩子丸田 隆典池田 美穂高木 優薮田 行哲重岡 成
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p. 0384

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抄録
熱ショック転写因子HsfA2は種々の細胞防御関連遺伝子を誘導することで酸化的ストレス耐性能の獲得に関与する重要な転写因子である(Plant J. 2006)。これまでにHsfA2のストレス応答の発現に、転写開始点から-191 bpの領域内に存在する3つのHsf認識配列(HSE I, II, III)が必要であることを明らかにした。さらに、種々のHsf機能欠損株を用いた解析により、HsfA1d、HsfA1e およびHsfA4cがHsfA2の強光ストレス応答性の発現を制御していることが示唆された。本研究では、これらのクラスA Hsfsを介したHsfA2の発現制御機構をより詳細に解析するため、各々の二重変異株を作出し、HsfA2の強光ストレス応答に及ぼす影響を解析したところ、単独の欠損と同様に著しくHsfA2の誘導が抑制された。また、HsfA2の強光ストレス応答に必要であるHSEに変異を導入し、HsfA1dおよびHsfA1eと共発現させたところ、HsfA1dおよびHsfA1eによるHsfA2の発現制御にはHSE Iが重要であることが明らかとなった。現在、ゲルシフト法によるHsfA1d、HsfA1eおよびHsfA4cのHSEへの結合能を解析している。
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© 2011 日本植物生理学会
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