日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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ニンジン由来KRPホモログ遺伝子の発現解析
*大熊 康仁竹内 理沙子櫻井 理瑛相原 梢村上 佳澄豊増 知伸三橋 渉
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p. 0476

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抄録
ニンジン体細胞胚の形態形成における細胞分裂の制御系を明らかにする目的で, 演者らは細胞周期停止因子KRP (Kip-related protein)に注目し, 植物体や体細胞胚の発達における同因子の発現について調べることとした.
ホモログ遺伝子の単離にはRT-PCR法を用い, CDK-cyclin 結合部位ドメインの保存配列を基に縮重プライマーを設計, 体細胞胚由来の鋳型cDNAより2種類のcDNA断片(DcICK1, 2)を得た. 全長cDNAの情報からDcICK1と2はそれずれ229個と231個のアミノ酸より成っていた. DcICK1遺伝子についてはゲノム-PCR法により3つのエクソンと2つのイントロンから構成されていることが明らかとなった. DcICK1および2はシロイヌナズAtKRP3と相同性が高く,また, モチーフ構成も良く似ていた. qRT-PCR法により組織別相対発現量を調べたところ, 共に茎頂や根端で高い発現が観察された. 一方, 発達中の体細胞胚においてはその発現量はほぼ一定であった. 次に, 発達中の体細胞胚についてDcICK1-mRNAに対する in situ ハイブリダイゼーションを行ったところ, 球状型胚では胚全体で発現が認められ, 特に表皮原基下部で強いシグナルが見られた. また, 魚雷型胚では子葉原基で強いシグナルが観察された.
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© 2011 日本植物生理学会
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