日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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MAB4ファミリー遺伝子はエンドサイトーシスを介してPINタンパク質の局在を調節する。
*阪本 展仁古谷 将彦田坂 昌生
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p. 0490

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抄録
オーキシンの分布は、オーキシン排出担体PIN-FORMED (PIN)に依存して形成される。近年、子葉形成過程においてPIN1の細胞内局在を制御するNPH3様タンパク質MACCHI-BOU 4 (MAB4)が単離・同定された。MAB4遺伝子には4つの相同遺伝子MAB4/ENP-LIKE 1 (MEL1)、MEL2、MEL3およびMEL4が存在する。前年会において、mel1 mel2 mel3 mel4四重変異体においてPIN2の存在量が減少し、PIN極性が乱れることを報告した。この原因を探るために、FRAP解析および薬理学的解析を行った。mel変異が細胞膜上のPIN2の可動性に影響を与えるかを調べるため、PIN2-GFPを発現する四重変異体に対してGFP消光を行なったところ、野生型と同等のFRAPが観察された。このことから、MEL遺伝子がPIN2の可動性に関与しないことが解った。加えて、PIN2のエンドサイトーシスに対するmel変異の影響を調べるために、エンドサイトーシスの阻害剤A23を四重変異体に処理し、PIN2の局在解析を行った。四重変異体ではA23の阻害効果が野生型に比べて弱くなっており、mel変異によってPIN2のエンドサイトーシスが促進されることが明らかとなった。以上より、MELはPINのエンドサイトーシスの制御を介して、オーキシン極性輸送に関与することが示唆された。
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© 2011 日本植物生理学会
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