抄録
イネフィトクロムB(phyB)変異体は、赤色光下で第一葉や第二葉葉鞘は徒長し、薄緑である。この変異形質が回復した変異体PBS-19及びPBS-25をphyB-3にγ線を照射して得た変異プールから単離し、解析した。野生型の農林8号は、赤色光下でも葉緑体の発達が認められたが、phyB-3変異体での葉緑体は小さくチラコイド膜の発達も認められない。その一方で、回復体は葉緑体が野生型なみに回復し、PBS-25ではチラコイド膜で満たされていた。第一葉や第二葉葉鞘の赤色光強度に対する伸張抑制は野生型と同等に回復していた。興味深いことに、通常、赤色光下では直立し、青色光下で傾斜する第2葉が、回復体では赤色光においても第2葉が傾斜していた。
原因遺伝子(or 変異)を同定するために、日本晴遺伝子背景のphyB-1とこれら回復変異体を掛け合わせ、ポジショナルクローニングを試みている。