日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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WRI1サブファミリーダブルAP2ドメイン転写因子の脂肪酸合成制御における役割分担
*西 雅知河合 都妙徳田 剛史前尾 健一郎中村 研三
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p. 0753

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抄録
シロイヌナズナのDouble-AP2転写因子WRINKLED1(WRI1)は、種子の油脂合成に必須の役割を担う。WRI1は、種子登熟中期に強く発現し、葉緑体内での脂肪酸合成に関わる多くの酵素の遺伝子の上流近傍域に保存されたAW-boxに結合して転写を活性化し、流入する炭素骨格の油脂への転換を促進する1)。脂肪酸合成系遺伝子Pl-PKβ1の転写開始点近傍2カ所のAW-boxに変異を導入すると、Pl-PKβ1p::GUSの登熟種子での発現が失われただけでなく、栄養組織や花器官での発現も失われ、WRI1以外のAW-box結合因子がこれら組織での発現に関わることを示唆する。WRI1と最も近縁のDouble-AP2転写因子であるWAT1とWAT2は、栄養組織や花器官で発現し、少なくともWAT1はWRI1とほぼ同じコンセンサスDNA結合配列を示した。WRI1サブファミリーDouble-AP2転写因子の、各種組織における脂肪酸合成その他における機能と分担を明らかにするため、wri1, wat1, wat2 の単独、二重、三重変異株を単離し、それらにPl-PKβ1p::GUSを導入した。また、WAT1とWAT2の過剰発現により引き起こされる遺伝子発現パターン変動を、WRI過剰発現と比較した。1)Maeo et al., Plant J. 60: 476 (2009)
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© 2011 日本植物生理学会
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