日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
会議情報

植物のuORFにコードされる新生ペプチドによる翻訳制御機構の探索と解析
*小山 博彰竹本 まり子遠洞 弥生渡部 峻蝦名 績高橋 広夫内藤 哲尾之内 均
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 0756

詳細
抄録
真核生物のmRNAの5'非翻訳領域には、upstream ORF (uORF) と呼ばれる小さなORFが存在する場合がある。uORFの中には、コードするペプチドのアミノ酸配列が植物種間で高度に保存され、下流の主要なORFの翻訳制御に関与するものがあることがこれまでに報告されている。私たちはuORFにコードされるペプチドが関与する翻訳制御を新たに同定する目的で、シロイヌナズナにおいてペプチド配列依存的に主要なORFの翻訳に影響を与えるuORFを探索した。その結果、ペプチド配列依存的に翻訳制御に関与すると考えられるuORFを新たに5つ同定した。
そのうちのいくつかの翻訳制御に、複数のuORFが関与することを見いだした。それらの系では、ペプチド依存的に翻訳を抑制するuORFのさらに上流に別のuORFが存在し、そのuORFは下流のuORFの翻訳効率の調節に関与することが示唆された。
また、ペプチド配列依存的な翻訳制御が見られなかったuORFの中で、シロイヌナズナではuORFのアミノ酸配列の保存性が比較的低く、他の植物ではより高度にアミノ酸配列が保存されているuORFをいくつか見いだした。これらについては他の植物のuORFを用いて、ペプチド配列依存的な翻訳制御が見られるかを検討している。
著者関連情報
© 2011 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top