抄録
植物が病原菌に対する抵抗反応を誘導する際に一酸化窒素(nitric oxide,NO)が生成され、様々な抵抗反応の制御に関与することが知られている。一方、植物内において生成したNOがどのような機構を介して抵抗反応誘導に至る情報伝達を行うかについては不明な点が多い。そこでNOの介在するタンパク質翻訳後修飾機構のひとつであるS-ニトロソ化(protein S-nitrosylation)に着目し、ジャガイモ塊茎および葉組織におけるS-ニトロソ化タンパク質の検出と同定を行った。タンパク質沈殿法を用いて調製したジャガイモ植物抽出タンパク質にNO供与体GSNOを処理し、ビオチンスイッチ法を用いてS-ニトロソ化タンパク質の検出を試みたところ、多数のS-ニトロソ化タンパク質を検出した。ビオチン標識したS-ニトロソ化タンパク質をアビジンアガロースを用いて精製し、質量分析計を用いた解析により、ジャガイモ植物においてレドックス制御に関与する因子を含む、多数のS-ニトロソ化候補タンパク質を同定した。