日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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ハマニンニクの乾燥と塩ストレスで上方制御される新奇未知遺伝子
*Eltayeb Habora Mohamed ElsadigEltayeb Amin ElsadigTsujimoto HisashiTanaka Kiyoshi
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p. 0943

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抄録
砂丘草本植物ハマニンニク(Leymus mollis)(Triticeae; Poaceae)はコムギ(Triticum aestivum)の野生類縁体で主に海浜や内陸の乾燥地に生息する。ハマニンニクは塩や乾燥ストレスに対して、極めて強く、病気に抵抗性で、過酷な環境に適応している。ハマニンニクの乾燥、塩ストレスに対する生理的耐性を支配する遺伝要因は殆ど未解明である。私たちはSSH法でハマニンニクの乾燥ストレス耐性に寄与する候補遺伝子を同定し、その中から両ストレスに応答して高発現する未知遺伝子を同定した。この遺伝子はジャスモン酸とジベレリンに応答して上方制御された。シロイヌナズナの対応する類似遺伝子を用いて、この遺伝子が葉緑体に局在することを見出した。この遺伝子は過剰発現させることで乾燥耐性植物作出の候補遺伝子になる可能性があり、さらに、ハマニンニクがコムギと交配可能なことから、この遺伝子は乾燥耐性コムギ選抜の良好なDNAマーカーになる可能性がある。
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© 2011 日本植物生理学会
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